アルツハイマー型認知症の遺伝的なリスクを知ることができる検査です。

アルツハイマー型認知症の最大のリスクは加齢と生活習慣病で、主な原因物質のひとつであるアミロイドβが蓄積することで神経細胞が損傷を受け、認知機能が低下し始めて発症につながると言われています。このアミロイドβの蓄積や凝集に関わるのがAPOEタンパク質で、その遺伝子の型を調べるのがAPOE遺伝子検査です。

APOE遺伝子には主にε(イプシロン)2、ε3、ε4の3種類の型があり、両親から1つずつ受け継いで構成され、「ε2/ε2」、「ε2/ε3」、「ε2/ε4」、「ε3/ε3」、「ε3/ε4」、「ε4/ε4」の6パターンに分類されます。ε2はアミロイドβの凝集を抑え、アルツハイマー型認知症発症リスクを低下させると言われます。一方、ε4を持つ方(ε4キャリア)はリスクが高く、1つ持つと3倍、2つ持つと12倍に発症リスクが高まると言われます。ただし、ε4キャリアだからといって全員が発症するわけではなく、生活習慣の改善により発症リスクを低下させ、発症の回避につなげられることも分かってきています。

最近、アルツハイマー型認知症の治療薬として注目されているレカネマブはその有用性の一方で脳出血等の副作用が知られています。その発生頻度は、ε4を持たない方よりも持つ方の方が高いことが報告されています。さらにε4を2つ持つ方は1つ持つ方よりも発生頻度がより高いことから、副作用のリスクを評価するためにAPOE 遺伝子型を調べる意義が関連する学会によって示されています。

遺伝子情報は一生変わることがないので、一度調べれば将来の予防にずっと活用できます。20代、30代の若い方に限らず将来の認知症を心配されている皆さまにAPOE遺伝子検査をお勧めします。中年期以降の方には、遺伝子型検査と一緒に、血液中のバイオマーカーの濃度で認知症発症リスクが分かるMCIスクリーニング検査プラスを受けることをお勧めしています。

MCIスクリーニング検査プラス APOE 遺伝子検査 認知症に関する啓蒙・情報提供 共同研究、効果測定支援

HTML5のcanvas要素、またはexlorer canvasに対応のブラウザでご覧下さい。